伊賀組紐　くみひも平井

数百年の歴史と城下町としての静かなたたずまいを今に残す伊賀上野。伊賀忍者の里、俳聖松尾芭蕉の生誕の地であります。しかし、四方を山に囲まれ、寒暖差の大きな気象、肥沃とはいえない土壌など、自然環境は必ずしも恵まれたものではありません。こうした中、忍者の持つ根気と忍耐、芭蕉に見られる鋭い感性を備えた伊賀人たちは芸術といえる、一つの地場産業「くみひも」を産み出しました。
　日本三大仇討ちで有名な「鍵屋の辻」の道標の傍らにある「平井組紐展示館」では古くから培われてきた技術、新しい技術、創作された昨品、組台に代表される道具、などを解りやすく展示しております。伊賀組み紐を理解して頂くにはこれ以上の資料はありません。お近くのにいらっしゃった折りには是非、足をお運び下さい。
　絹糸を主に金糸・銀糸等を用い、角台・丸台・高台・綾竹台などの伝統的な組台で組み上げる、繊細な美しさを持つ手組紐は特に有名で、全国生産の大半を占めるにいたっております。帯締め・羽織紐といった伝統的な和装品の他、ネクタイ・ネックレス・キーホルダー・各種アクセサリーなど、新しい商品づくりも盛んに行われています。平井兼蔵商店では伊賀の組み紐の良さをより多くの場面に活かすために新製品の開発に日夜、努力しております。

展示館では工場で組み上げた紐を加工し、製品にする作業を行っています。